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ソーシャルバリューをデザインせよ〜 ハバタクのワークショップに参加して

Publish: : 日本語 / Japanese

2014年3月3日にハバタク株式会社が主催するCo-Creation Journeyを取材してきた。これはベトナムの社会課題にフォーカスして、ベトナムと日本の学生が共同チームを組んで、その社会課題を解決するビジネスアイデアを開発しようとするものである。

聴覚障害者のためのビジネスアイデア

presentation by Vietnamese Japanese mixed team

presentation by Vietnamese Japanese mixed team

Co-Creation Jorneyとは
http://www.cross-border.net/co-creation-journey-for-innovation-2014/

ハバタクによるブログ
http://blog.habataku.co.jp/2014/02/co-creation-journey-day-2.html

今日は、聴覚障害者の生活の改善ということで、3チーム9人の学生が、聴覚障がい者向け民間支援機関”CED”のHanh代表の前で、ビジネスアイデアをプレゼンした。

その3チームのビジネスアイデアは下記。
Nổbita:スマートウォッチ
linkinghouse:YouTubeチャンネルなどと組み合わせたMonthly News Paper
Intelligent:Smart Ear Device 口の動きを読んで音声認識するタブレット。教育用途。

The mock-up of the smart ear device.

The mock-up of the smart ear device.

どれも、ノーマライゼーションのために技術とビジネスを使おうというものだ。
技術的、ビジネス的なフィージビリティを問うと、まだ荒削りなところはあるのだが、大切なのは、こういったことをしていることそのものだろう。

顧客がほんとうに必要だったもの?

「大切なこと」とは、「参加することに意義がある」という話ではない。
「顧客との対話」という意味だ。

商品とは、なんらかのValueに形と値段をつけたものといえる。値段はともかく、形をどのようなものにすればよいのかについて、従来の産業社会がやってきた方法は、行き詰まりを見せている。少なくともIT業界(とくにシステム業界)は煮詰まってしまった。

What the customer really needed.

What the customer really needed.

システム開発において最初に行うのは、「要求分析」という工程だ。顧客の欲しがっているものを洗い出し、論理的に再構成する作業である。SE(System Engineer)の本来の業務だ。
しかし、これは一つのフィクションの上に成り立っている。それは「顧客は自分が何をほしいかをよく知っている」ということである。
これがフィクションであることは、現場の実務者はよく知っている。仕様変更という形で、文字通り肌身で知っている。仕様変更のコストを価格に上乗せできればいいのだが、できないので、自らの長時間労働という形で、骨身にしみて知っている。

これは顧客を責めても仕方ないところがある。顧客にだって、さらにその顧客がいて、その顧客の欲しがっているものがわからないのだ。仮に分かっていたとしたって、技術環境がすぐに変わるので同じことだ。
誰かが悪いのではなくて、やり方が悪い。だけれども、それしかやり方を知らないので、だましだまし何とかしている。

新しいやり方がこのCo-Creation Jorneyにあると思う。ここにあるのは、フィージビリティの低いアウトプットではなくて、多様な立場や多様な背景の人間が同じテーブルについて対話してできたアウトプットである。

「プロフェッショナルの仕事」の領域変更

学生たちのプレゼンを見て「荒削りだ」と思ったのは、彼らがまだ技術や事業のデザインパターンを知らないからである。ここにこそ、この対話のテーブルに、技術のプロや事業のプロが参画する意味がある。

しかし、学生のプレゼンに対して「所詮は学生のお勉強」としか捉えられない人は、これができるだろうか。模造紙に絵を描いたり、ボール紙で腕輪を作ってスマートウォッチだといったり、寸劇をやったりできるだろうか?
スキルの問題というよりもマインドの問題として、Valueに対して斜に構えたり照れたりせず、この学生たちのように熱心になれるだろうか?

私は浮世離れした事を言っているかもしれない。判断は読者に任せるとしても、NTTデータと野村総研というSIer中のSIerという二社のトップが共同で書いた本でも、同じことを言っている。

ITプロフェッショナルは社会価値イノベーションを巻き起こせ

私は予言者ではないので未来のことは分からない。これはあるかもしれない未来の形の一つにすぎない。しかし、少なくともシステム業界は行き詰まっているのだから、試してみる価値のある未来だと思う。
しかしそれは、仕事のやり方というよりも、仕事の概念を大きく変えることになるので、私が経営者ならば、年寄りのマインドを変えるよりも、若い人のスキルを変える方を選ぶ。
「所詮は学生のお勉強」って思った方は、ご注意を・・・

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