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ホーチミン市を大渋滞都市にしないためにITができること

Publish: : 日本語 / Japanese

ホーチミン市には駐車場が少ないので、ASEAN統合により車の台数が多くなれば大渋滞が発生すると思われる。それを避けるために、スマートカードの利活用によるBRTの利用促進を考えてみる。

カタストロフィ2018

same scale

HCMC and Osaka in same scale.  thanks to Google Map

ホーチミン市は大都会であるが、その大きさが今ひとつピンとこない。だから、同程度の日本の大都市と同じ縮尺で比較してみた。大阪とほぼ同じ大きさであることが分かる。郊外県まで含めたホーチミン市の人口は624万人。面積は2095平方キロ。これに対し大阪府は886万人の1901平方キロ。街の性格や、成り立ちから言っても、ほぼ同じと言っても良いだろう。

問題は、これだけの大都市に地下鉄がないということである。想像してみてほしい。大阪に、地下鉄も環状線も京阪電車も南海電車もなく、バスだけで回しているのである。

an evening rush hour in HCMC

an evening rush hour in HCMC

そのため、ホーチミン市市内はバイクの洪水である。写真のような光景は、ベトナム名物として、この国を訪れた人の胸に強く残るものだろう。

しかし、「公共交通機関が貧弱だからバイクに乗っているのだ」という説明はあまりにも一方的だ。「大変そうだ。」「危なそうだ。」というのは、外国人の勝手な思い入れであって、私の聞いた限りでは、ベトナム人はこの状況(バイクの洪水)をあまり問題視していないようである。むしろ愛している。この状況を愛しているかまでは分からないが、少なくともバイクは愛しているようだ。

やや浅い洞察ではあるが、ヒアリング及び観察の結果、このバイク選好は下記の理由のようだ。

    1. 独立心の旺盛なベトナム人の気質がバイクに合っている。

アメリカ人が車を偏愛するようなものであろう。単なる交通手段を超えた、自己実現をなしとげるなにかと位置づけられている。

    1. 道路を始め社会インフラが(結果的に)バイクに合わせて作られている。

ホーチミン市はフランス植民地時代に作られた。今もその時代の影響を色濃く残している。観光的には「東洋のパリ」「東洋の真珠」であるが、都市計画的にはモータリゼーション以前に設計された都市であり、駐車場がないなど、車向けに作られていない。しかし日本の大都市近郊のような田んぼの畦道がそのまま太くなったような道路ではなく、きちんと設計されているので、移動そのものはしやすい。

    1. バイクが安く、種類も豊富。

150ccのスクーターが新車で15万円程度から。所得と比較すると安いとはいえないかもしれないが、知人から譲ってもらったり、中古車市場に売却できるなど、需要があるがゆえの市場の機能が大きい。

    1. 交通秩序が成立している。

上の写真のような光景を見ると、「カオス」と表現したくなるが、それは早計である。バイクは時速30km程度のゆっくりした速度で走っていて、追い越しや割り込みも少ない。よく流れている。バイクは危ないというのはバイクに乗らない人の偏見であって、バイク乗りにとって怖いのは、一に車、二に歩行者、三に自分自身の無理な運転である。そのどれもがあまり問題にならないのだから、バイクは見た目以上に安全な乗り物である。

    1. 子供の頃から慣れている。

乳幼児のころから二人乗り三人乗りである。50cc以下は免許が不要で、未成年者も乗っている。「バイクにのる」ということは、人生の途中から発生するイベントではなくて、あまりにもあたりまえのことなのだろう。デジタル・ネイティブならぬバイク・ネイティブである。

原因と結果が循環しているようにも思うが、もともとがそういうものだから仕方ない。
愛するバイクに乗り、人も街もバイク向けにできているのだから、他人が問題視するのは大きなお世話というものである。

しかし、そうも言っていられない状況が近寄ってきている。
2018年のASEAN関税自由化である。

ベトナム政府は自動車の輸入に60%の関税をかけている。これが2018年にはゼロになる。ただでさえ所得が低いのに加えて、割高な関税により、この国は車を抑制してきた。しかし、経済は成長し所得は向上している。そんな人々に、37.5%割引の車が提示される。

2018年には、このバイク天国に津波のように車がなだれ込んでくるだろう。
そうなったら、この街は一体どうなってしまうのだろうか。

ホーチミン市を大渋滞都市にしないためにITができること 123

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