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ベトナムの社会文化を知るカギになる、独特な名づけと人称代名詞

Publish: : Last modified:01/08/2016 日本語 / Japanese

ベトナムの命名法とその特徴

名前研究家によると、ベトナムの名づけは紀元前2世紀に始まり、当時より父親の姓を受け継ぐ父系性です(中国と同じです)。

1000年もの間中国の植民地であった影響を受け、命名法も中国と同じで、姓+ミドルネーム+名前の3つの主要部分で構成されています。姓はミドルネームと名前の前にあり、血縁を区別します。そしてミドルネームはその有無にかかわらず、性を区別するためのものです。例えば「氏」は女性、「文」は男性を表します。また他のアジア諸国と比較すると、姓ではなく名前でその人を区別するという特徴があります。

ベトナムの姓(Family Name)の配布

前項で述べたようにベトナムの命名は父系性なので、子どもの姓は父親の姓と同じです。そのほとんどは中国の姓ですが、漢越音(漢字のベトナム語読み。例えば中国で「阮」という漢字は「ruan」と発音しますが、ベトナムでは「Nguyen」と発音します。)で発音します。

様々な名字のうち「阮」(Nguyen)という 姓が最も多く、38%を占めています。理由はベトナムの姓がその歴史に影響されているからです。

一方姓とは異なり、名前には継承の習慣や名付けにおける規律はありませんが、一般的に生まれた子の名前は祖父母が命名します。それは、家族で受け継がれてきた伝統的な習慣です。

ベトナムの命名法は、花と同じ名前、また両親の名前と音律が同じであるものから、深い意味を持っているものまで様々です。しかし名づけにおいて、決してしてはいけないことは次のとおりです。

  • 親戚と同じ名前をつける。

  • 男性に女性用の名前を、女性に男性用の名前をつける。

  • 悪い意味の名前をつける。

 国家間の関係が困難だった時代には、「悪い意味の名前の子は悪魔に取られることなく、すくすくと成長する」と考えられていたので、敢えて悪い意味の名前を付けることが多くありました。しかし平和な現代では、子どもの将来を考えた良い意味の名前がつけられるとともに、新しい流れとして外国風の名前が多く見られます。

キューバの前大統領の名前である「Fidel Castro」を使っているベトナム人の証明書

 今日、バラエティに富んだ名前は大変関心の高い話題です。

ベトナムの人称代名詞とその使い方

「Lời nói chẳng mất tiền mua, lựa lời mà nói cho vừa lòng nhau」(言う前によく考えなさい)とは、昔からの言い伝えです。ベトナムの儀礼に基づく音声システムは非常に複雑で、人称代名詞はなんと60以上あります。それはベトナム語を学習している外国人にとって、最も混乱する項目の一つです。この人称代名詞の多様性には、言語体系だけの問題ではなく、ベトナムの人々の心理的特性や思想、そして文化が色濃く反映されています。

ベトナムの長年の文化的伝統において、儀礼は最も大切なもの。そのため、人称代名詞にも「尊敬謙譲」の原則(自分の呼称には謙譲語、相手には尊敬語を使います)に従います。自分自身の人称代名詞は、アメリカでは「I」、中国では「Wo」のみを使用しますが、ベトナムでは相手との関係によってそれが変化します。例えば、友達や同僚と話す場合は自分を「tôi, tớ, mình」と言いますが、年上や上司と話す場合は「em, con, cháu」、年下や目下の人と話す場合は「anh/chị, cô/chú, bác」と言います。

また、日本と同様に長期間の封建社会を経て、身分や階層が重要視されてきたため、現在でも呼称には社会的階級が付けられます。例えば、thầy Lâm(Lâm先生)、bác sĩ Cường(Cường医者)、anh chủ(大家さん)などです。

家族間ではそのポジションの呼び方を使います。例えば、anh hai(二番目の兄さん)、chị ba(三番目の姉さん)、em út(一番下の弟か妹)、ông(おじいさん)、bà(おばあさん)、cha(お父さん)、 mẹ(お母さん)などです。家族でも年上の名前を呼ぶことは、非常に失礼であるとされています。

また東アジアの国々では相手の姓で呼びますが、ベトナムでは年上や上司以外は全て名前で呼びます。名前で呼び合うと親近感を感じると考えられているので、年上や上司は年下、部下を呼ぶとき、むしろ積極的にAnh,Chi(日本語の「さん」)を除いて名前だけを使います。同僚に対しても「さん」をつけずに名前だけで呼び合います。例えばHồng(HồngまたはHồngさん)またはbạnHồng(友達のHồngさん)と呼ぶことができます。

そして知らない人や血がつながっていない人でも、anh(兄さん)、chị(姉さん)、chú(お爺さん) bác(お婆さん)と家族のように親しい呼び方をします。本当の兄さんやおじいさんではありませんが、それを聞いた外国人はよく勘違いします。

ベトナムの一般的な人称代名詞

人間関係

自分

相手

注意事項

年上、上司

Em, con, cháu,..

仕事+名前

職業(役職)+名前

呼格の言葉+名前

人称代名詞+名前

名前だけの方は使いません

名前だけでは 呼びません。

同僚

Tôi, tớ, mình,

名前

呼格の言葉+名前

人称代名詞+名前

名前だけ

親しくない人はtao、mày(おれ、てまえ)を使いません

あまり親しくない人には、自分にtao(おれ)、相手にmày(お前)は使いません。

 年下、部下

Anh/chị, chú/cô, bác, tôi…

名前

人称代名詞+名前

名前だけ

人称代名詞はその国の社会文化のレベルや住んでいる人の性格を表しているので、ベトナムの人間関係や文化を知るためにも重要です。適切な人称代名詞を使用すれば、相手とより親密になり、理解しあえる会話ができるようになると言えます。

 

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